【オンライン日本語教師向け】初級日本語教科書「いろどり」ってどんな教科書?

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初級日本語教科書として、最近耳にすることが多くなった「いろどり」。

一体どんな教材なのでしょうか?

この記事では、「いろどり 生活の日本語」について解説していきます。

「いろどり 生活の日本語」って?

日本語コースブック『いろどり 生活の日本語』は、外国の人が日本で生活や仕事をする際に必要となる、基礎的な日本語のコミュニケーション力を身につけるための教材です。

https://www.irodori.jpf.go.jp/about.html

初級日本語教材として有名な、「みんなの日本語」や

GENKI」は、文型積み上げ式の教科書であるのに対して、

いろどり」はcan-doベースの日本語教材です。

日本語を使って、実際の場面で「できる」ことを増やすことが学習目標となっています。

対象とする学習者は入門〜初級レベルです。

この教材は、独立行政法人国際交流基金日本語国際センター

(JAPAN FOUNDATION)が制作しており、公式サイトから全てフリーダウンロードが可能です。

詳しくは、JFが使い方セミナーを公開してくださっているので、

ぜひそちらをご覧ください。(セミナー動画は第3部まであります)

「いろどり」を使うメリット

  • 著作権フリー
  • ダウンロードフリー
  • 他言語翻訳
  • アップデート

著作権フリー

オンラインレッスンをする際にどうしても気になるのが「著作権」。

しかしこの「いろどり」は、著作権フリーですのでオンライン教師も安心して使うことができます。

個人が「いろどり」を使って作った教材も、オンライン上などで共有することを

公式が推奨しています。

ダウンロードフリー

「いろどり」は公式サイトから、全ての教材をダウンロードすることができます。

もちろんブラウザ上での閲覧も可能です。

海外だとなかなか日本語教材が手に入らなかったり

必要に高額だったりするので、これは学習者にとっても嬉しいはずです。

教室で使う場合も、「教科書忘れた」ということがないのがいいですね。

他言語翻訳

現在、デフォルトの英語+11言語で公開がされています。(2022.1.3)

  • 韓国語
  • 中国語(簡体字/繁体字)
  • モンゴル語
  • インドネシア後
  • クメール語
  • タイ語
  • フィリピノ語
  • ベトナム語
  • ミャンマー語
  • ネパール語

※それ以外の言語版も順次公開予定だそうです。

アップデート

公式サイトの「お知らせ・更新情報」を見ればわかるように、

いろどり」はアップデートされ続けています

最近では、イラスト集や「初級1」の音声付きPDFが公開されました。

JFの本気度が伺えます。

教科書の内容だけではなく、付属教材なども更新され続けています。

付属教材

いろどり」は付属教材も充実しています。

付属教材・資料」のページを開くと、

  • 各コーナーの合冊版
  • ことばリスト
  • 解答
  • イラスト一覧
  • JF生活日本語Can-doとのCan-do対応表
  • 文型・漢字リスト
  • 日本の生活TIPS インデックス
  • チラシ・リンク用バナー

が置かれています。

私のオススメは、「ことばリスト」と「日本の生活TIPS」です。

ことばリスト

各課で扱う新出語彙と、その対訳が載っています。

私は授業で、まずその日勉強する課のことばリストを見せて、

語彙と発音、その意味を確認しています。

もちろん学習者も自分で見られるので、予習復習に使ったり

自分の母語で意味を確認したりすることができます。

さらにこの「ことばリスト」をExcelファイルでダウンロードすれば、

Quizletなどのツールでフラッシュカードやゲームを簡単に作ることができます。

日本の生活TIPS

各コーナーの合冊版」には、「文法ノート」「日本の生活TIPS」

「漢字のことば」「ひらがな・カタカナのことば」があります。

もちろんどれも大変便利なものなのですが、私は特に「日本の生活TIPS」がお気に入りです。

このコーナーは、教科書では各課の最後にあり

日本文化や習慣、ルール・マナーなどについての解説が書かれています。

「合冊版」は、各課からそのコーナー(日本の生活TIPS)だけを抜き取ったものです。

日本事情のネタとして、別の授業や教材と組み合わせたりすることもできますし、

初級レベルのテキストでは物足りない中上級学習者も楽しめる内容です。

読解練習に使ったり、フリートークのネタにすることもあります。

私自身、ここに取り上げられていなければ「日本文化だ」と

気づかなかったものもあり、我々教師にとっても非常に興味深いです。

どんな学習者に使える?

教科書のタイトルにもあるとおり、「生活の日本語」を学ぶためのものですから

ターゲットは「日本での生活者」です。

そして仕事の場面が多く出てきますから、日本で働いている人や

これから日本で働きたい人にとっては、とても使いやすい教材だと思います。

逆に日本に住んでいなかったり、子どもに使おうと思うと、

少々イメージしずらい・わからない・学んでも今後(しばらく)経験しないであろう場面

が出てきたりします。

しかし全く使えないということではなく、あるトピックだけを抜き出してやってみるとか、

それこそ「日本の生活TIPS」だけを使ってみるとか、

やり方を工夫すればどんな学習者にも使うことができます。

何より、全て無料なのが嬉しいですよね。

教材を買ってから、「ああ〜これは違った〜〜」ということがないのがいいです。

ではここで、どんな感じで授業が進められるのか

実際の授業(模擬授業)を見てみましょう。

感想

私が初めて「いろどり」を見た時は、これ本当に全部無料でいいの!?と思いました。

教師にとって必要なものは全て揃っていると言っても過言ではありません。

一番ありがたいのは、「いろどり」を使って授業をするために

教師は教案を準備する必要がないということです。

もちろんアレンジは無限に可能ですが、教師があれこれ準備しなくても

テキスト通りに進めれば、授業は問題なく進めることができます。

初めて「日本語の授業」をする先生にとっては、これ以上ない教材だと思います。

また、オンライン上で色々な先生方が、

ご自身で作成された教材などを共有してくださっています。

私はそんな教材やツールを集めるのが好きなので、

今後皆さんにも紹介していきたいと思っています。

公式のJFでも、使い方セミナーなどを定期的に開催してくれているので

要チェックです(日本以外でも各国のJF主催で開催されています)。

総合して「いろどり」は、ユーザーにやさしいテキストだと思います。

気になった方はぜひ、この機会にチェックしてみてください。

それではまた!



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