【オンライン日本語レッスン】「いろどり」授業のQ&A:オンライン授業がうまくいくコツは?

オンライン授業
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前回書いた「いろどり」に関する記事に、多くの方から反響をいただきました。

読んでいただいた方、ありがとうございました。

「いろどり」は非常に使い勝手のいい教材なので、愛用者も多いことと思いますが

実践例を共有されている方は確かに少ないですね…。

私の経験がどなたかの役に立てば嬉しいです。

授業見学会3rd

10/16(土)に「あいうえお」主催で開催した「授業見学会3rd」のイベントで、

私は「いろどり」を使った授業の録画を共有しました。

その時に公開した授業の録画は、こちらの記事でご覧いただけます。

録画はオンライン授業の部分のみですが、イベントではこの後

参加者の皆さんから、たくさんの質問をいただきました。

同じような疑問を抱えている人がいらっしゃるかなと思ったので、

ここで共有したいと思います。

N4クラス

教材:いろどり初級1 L17 兄がくれたお守りです

QA1

質問者
質問者

単語を確認するとき、どんどん単語を消していっていましたよね。あれはどうやって?

hanna
hanna

白色のペンで、その場で塗りつぶしています。授業ではGoodNotes5を使っています。

私は授業で、iPadアプリGoodNotes5を使っています。

普段はあそこまで丁寧に語彙の確認をすることは少ないのですが、

この回では語彙の弱い学習者さんが参加されていたため

いつもより丁寧に、時間を割いて確認しました。

QA2

質問者
質問者

穴埋め問題の時に、全文を言わせず該当箇所(ターゲットになる文法)だけの解答でよしとしているのには、何か意図がありますか?

hanna
hanna

ありません!

指摘されるまで、気がつきませんでした。

確かに、どうせ発話させるなら全文を言ってもらったほうがいいですね。

この後から気をつけるようになりました。

QA3

質問者
質問者

「書く」ことは授業で扱っていますか?

hanna
hanna

私の授業では、学習者さんは全くと言っていいほど書いていません。

私の学習者さんは、「字を書くこと(特に手書き)」にニーズがありません。

クライアントさんからは「日本人社員とのコミュニケーションがスムーズに取れるように

将来的にはJLPT N3に合格できるように」とのオーダーを仰せつかっております。

普段の仕事のやりとりも、メールやチャットを使っているようですので、

「字を書く」ことよりも、「聞いてわかる」や「正しい字(漢字)を選ぶことができる」

ことにフォーカスして、授業を組み立てています。

ただし全くやらないというわけではなく、Padletというツールを使って

「アウトプット」(作文)はしてもらっています。

例えば、この課で学習した文法を使って、あなたの国の「お土産」を紹介してください

のような課題を与え、次のクラスまでにPadletに書き込んでくる、というようなものです。

次のクラスで音読(発表)してもらい、文法等を修正、

それについてさらに詳しく説明(会話)してもらったりしています。

QA4

質問者
質問者

この後、別に用意した練習問題や口頭練習などをしますか?

hanna
hanna

テキストにあるシャドーイングやロールプレイをします。

録画した授業では、時間の関係で練習にいく前に終わってしまいましたが、

普段はこの後もテキスト通りに進め、最後は自分の言葉で「おしゃべり」して終わります。

テキストにはモデル文が書いてあり、それを見ながらロールプレイ(会話)をしますが、

私が「じゃあ、これは?」と突っ込んだり、学習者さんの話が止まらなかったり、

脱線して終わることもしばしば(笑)

QA5

質問者
質問者

学習者さんは、テキストやノートなどを手元に置いて授業を受けているんですか?

hanna
hanna

学習者さんは基本手ぶらだと思います!

もちろん「いろどり」の公式サイト(テキストやことばリスト)の場所は

伝えてありますし、ダウンロード方法なども一緒に確認してあります。

ただ、授業中は基本的に私の画面をシェアしているので、特に何も必要ないです。

メモを取ってもいいですし、私的にもそうしてほしいところですが、

私から、特にそれを強要するようなことはしていないです。

授業で使ったノートや問題が欲しいと言われれば、

クラスで使っているGoogle classsroomで共有しています。

N3クラス

教材:いろどり初級2 L9 成人の日は、何をするんですか?

QA1

質問者
質問者

学習者さんはリスニングを聞いている時、メモをとってもいいですか?

hanna
hanna

はい、全く問題ないです。

私の授業はテストでも学校でもないですし、極論、授業中何をしていてもOKです。

聞いてなかったとか、聞き逃したなどで、

同じ音源を2・3回聞き直すこともあります(笑)

ちなみに私も、授業中にスマホで調べてそのまま翻訳(音声)を聞かせたり、

その場で参考書を引いて一緒に読んで確認したりしています。

QA2

質問者
質問者

学習者さんはカメラオフですか?

hanna
hanna

はい、いつもオフです。ちなみに私もオフです。

もともとカメラが付いていないPCで参加している学習者さんがいたり、

あまりネット環境が良くない方もいるので、オフでいいと言いました。

私も常に画面共有していて、カメラをつけていても学習者さん全員の顔が

見えるわけではないので、あまり気にしていません。

そのうちに、声だけである程度状況を把握できるようになり、

カメラの必要性をあまり感じなくなりました。

今ではレアリア(ねこ)を見せる時以外は、特にカメラを使うことはありません。

※このグループレッスンの場合は、です。学習者さんによります。

QA3

質問者
質問者

学習者さんはPC /スマホから参加ですか?

hanna
hanna

多分PCから参加されています。

直接聞いたことはありませんが、このレッスンの学習者さんたちはみんなエンジニアなので

おそらくPCから参加していると思います。

自宅から、リモートワークの合間を縫って参加してくれています。

スマホから参加の場合、教材を1枚絵のスライドにするなど、さらに工夫が必要ですね。

QA4

質問者
質問者

途中で教材のイラストを編集していましたね。あれはどうやって?

hanna
hanna

iPadアプリ「GoodNotes5」を使って、その場で加工・編集しています。

私は「いろどり」のPDFをGoodNotes5に取り込み、

それを再編集して授業用ノートを作っています。

GoodNotes5に保存すると、そのノート(ページ)を画像として

書き出したり(写真フォルダに保存)、

ノート上でトリミングしたりすることができます。

授業をしながら「ここにイラストが欲しいな」と思ったら、

その場で加工・編集してしまいます。今回もそれです。

今は「いろどり」の公式からイラストデータが共有されているので、

GoodNotes5やiPadをお持ちでない方でも簡単に同じようなことができると思います。

付属教材・資料 | いろどり 生活の日本語

QA5

質問者
質問者

教材は全部GoodNotes5で作り替えているんですか?

hanna
hanna

はい、そうです。

授業をするとき、その日扱うテキストの箇所を

GoodNotes5で横向きのスライド(ノート)に作り替えています。

と言っても、1コマ分の授業用ノートを作るのに、今はもう1時間もかかりません。

授業の前に自分の予習として、内容の把握教材の作り替えを一緒にやっています。

授業準備はほとんどこれだけです。

QA6

質問者
質問者

リスニングのスクリプトのページは使っていますか?

hanna
hanna

ケースバイケースです。

毎回使うわけではありませんが、すぐ使えるようにノートの中には準備してあります。

長文だったり、理解が少し難しそうであれば

スクリプトを見ながら音声を聞いて、そのまま解説していきます。

逆に、何度も聞いたり、文字で読まなくても内容が理解できているようであれば

スクリプトで確認する部分は飛ばすこともあります。

QA7

質問者
質問者

問題に行く前に、4つの会話を一度全部聴かせてから、1つ1つの問題に進みましたね。あれは何か意図がありますか?

hanna
hanna

はい、まずは全体の話(話題)を把握してもらうためです。

スクリプト同様、聞いて一発で内容がわかるようであれば、すぐに問題に進みます。

しかし「いろどり」は、色々な国のものが扱われていたり、

学習者が知らないであろう日本文化や日本人の話が盛り込まれていたりするので、

まずはどんな話なのか、全体のイメージを掴んでもらうために通して聞いてもらいます。

その後、会話(1)→問題(1)と進めていきます。

QA8

質問者
質問者

クライアントさんには、成果や評価などの報告はされていますか?

hanna
hanna

はい、授業ごとと、月毎に報告をしています。

クラスが終わった後に、参加された方(人数)とその授業内容、

そして学習者さんの様子などを報告しています。

月末には、学習者さんそれぞれの出席日数を集計して、報告します。

評価についてはいろいろと試しました。

これもいずれ皆さんに共有したいと思っているんですが、

今はアスク出版さんのオンラインハーフ模試をJLPT前の6月と11月に実施しています。

オンライン授業がうまくいくコツ

たくさんのご質問、ありがとうございました。

Twitterでも多くの方から反応をいただき、嬉しい限りです。

ここで、私がオンライン授業で気をつけていることを二つ

紹介したいと思います。

学習者の反応を待つ

学生の反応を待てているのがすごい!

という感想をよくいただきます。

実は、共有した動画、あれでも沈黙部分を結構カットしてあるんです(笑)

本当はもっと、誰も発言していない時間があります。

私は、学習者さんが言いたいことを言い終えるまで、結構待ちます。

わからないからといって、諦めてほしくないからです。

彼らが実際に日本に来てどこかへ出かけた時、何かをする時、

どうにかして自分の思っていることを相手に伝えなければなりません。

相手も媒介語が使えたり、常に手を差し伸べてくれる優しい人ばかりではありません。

学習者さんには、自分の言葉で伝えることに慣れてほしいと思っています。

学習者さんは、私が簡単には助けてくれないとわかると、

どうにかして伝えようと一生懸命考え、話してくれます。

私は英語ができないので、基本的に授業中は英語を使いません。

学習者さんが使う分にはOKですが、たまに伝わらなかったり、

私がその英単語を知らなかったりすることもあります。

なかなかリアルですね(笑)

そうやって「先生には日本語しか通じない」という状況を作ることで、

”私と”コミュニケーションしようとしてくれます。

伝わればそれでいいのです。

まずは「自分の言葉で伝えられた」経験をしてほしいと思っています。

気配り目配り心配り

コロナ禍で一気にオンライン授業が広まって、

悩める人1
悩める人1

学生がカメラをつけてくれない…

悩める人2
悩める人2

カメラがあっても、学生の表情や感情がわからない…

と言う声がたくさん聞かれました。

私の「いろどり」を使ったこのグループレッスンでは、常に全員カメラオフです。

学習者さんも、私も、です。

でも特別やりにくいと感じたことはありません。

私の性格的なところもあるかもしれませんが、一つ工夫していることがあります。

それはマイクのオンオフです。

私は授業の時いつも、zoomの参加者一覧の小ウィンドウを開いています。

そこでは、学習者さんの名前とマイクのアイコンを見ることができます。

学習者さんたちは、発言する時以外はマイクをミュートにしていてくれるのですが、

何か話したい・聞きたいことがある、という時はミュートを外します

私はこのタイミングを見逃しません

学習者さんのミュートが外れた瞬間、私は黙ります。

もしくは「Aさん、どうですか」と、その人に話を振ります。

こんなちょっとした工夫が、学習者さんの発言しやすい雰囲気

つながるのではないかと思い、気をつけるようにしています。

皆さんもぜひ、試してみてください。

ちなみに、ミュートが外れると、参加者一覧の一番上にその人の名前が上がってきます。

これで大人数クラスでも問題なくこの小技を使うことができます。

オンライン授業に関するご相談も承っております!

一つで悩まず、一緒に解決しましょう。

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