これまでリモートワークをしていた方々が、来日して日本の本社で働くということで、「日本での生活に必要な知識・日本語スキル」を身につけるために、全16回のコースを作成しました。
今回の記事では、その3回目(10〜13コマ目)の内容を紹介します。
授業内容
この授業を実施した学習者さんはN4レベル前後の就労者で、全てオンライン授業です。
授業形態、カリキュラムなどの詳しい情報は、Part1の投稿をご覧ください。
メインテキストは「いろどり 生活の日本語」です。
こちらのテキストを参考にしてはいますが、コマによっては他の教材を組み合わせて使っています。
またこの時の学習者さんたちは、全員英語母語話者ではありません。しかし職業柄、ある程度英語がわかる方々だったので、スライドには一部英訳をつけてあります。
※私自身は英語ができません。授業は直接法です。
この授業では、日本文化や習慣を理解することを重視しています。授業中に文法解説や練習などは行いませんでした。
学習者にとってはどれも既習文法だったということもありますが、来日までの授業時間が限られていたこともあり、わからないところは「いろどり」の「文法ノート」を使って自学してもらうようにしました。
受講者の現在
2022年5月頃からこの「日本で暮らすための基礎講座」を始め、この時に教えた学習者さんたちは現在来日1年を過ぎました。
来日当初はまさに「右も左も分からない」ような状態でしたが、勤務先のサポートも手厚く、また同じ国出身の同期もいるということで、今ではすっかり日本生活を楽しんでいるようです。
私も東京に行った際に、彼らと2回ほど食事に行きました。オンラインだけの関係より、一度でも直接顔を合わせると、やはり関係性が深まりますね。
彼らの日本語能力もグッと伸びて、日本語でのコミュニケーションにも自信がついたようです。
さらに「あいうえお」のコミュニティメンバーさんにもご協力いただき、1年ほど前から彼らとの会話レッスンを毎月行なっています。(企業さんにも許可をいただいて実施しています。)
私や会社の人たち以外の日本人と話す機会を作り、日本人の知り合いを増やしてほしいと思い始めました。教師や同僚以外の人にも自分の日本語が伝わる、コミュニケーションが取れる、と自信にもつながっているようです。
授業用スライド
今回の記事では、全16回のコースの内、10〜13コマ目にあたる教材を共有します。
実際に授業で使用したスライドですので、もし同じようなニーズを持つ学習者さんがいらっしゃれば、ぜひお役立てください。
また、こちらの教材を使用したオンライン授業の録画も、ページ下部に掲載してあります。スライドだけではイマイチ授業のイメージがわかない、実際の授業の様子も見てみたいという方は、どうぞ録画もご活用ください。
スライドは、プレビュー下の【ダウンロードボタン】を押すと、Googleスライドの「コピーを作成する」ページが出てきます。コピー後、ご自由に編集してお使いください。
※実際に授業で使用した後、必要なところは修正してアップしてあります。
ゴミの分別
ゴミの捨て方
災害アナウンス
避難訓練
基本的にスライドの通りに進めていけば、1時間のレッスンができるようになっています。どうぞご活用ください。
生活者用教材
ここで、生活者向けの日本語レッスンで使える教材をいくつか紹介します。
「日本で暮らすための基礎講座」の中でも、メインテキスト「いろどり」だけではなくさまざまな教材や資料を使っています。日本に来る予定がある人には、ホンモノを見せることが一番です。
最近は、その土地の文化や習慣、気候などの特徴をわかりやすく紹介した教材を作成・公開している自治体なども、増えています。
そのような教材は「その土地の生活者」にだけではなく、日本に住む/住んでいる人、または旅行者への日本語指導・異文化理解などにも活用することができます。
就労者は生活者である(になる)可能性も高い人たちですので、ぜひ一度中身をご覧いただき、自分のレッスンや学習者さんに活用できないか、検討してみてください。
生活・就労ガイドブック(出入国在留管理庁)
「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリキュラム案 教材例集 (文化庁)
外国人住民のための暮らしのガイド(宮城県仙台市)
みんなの生活ガイドブック(北海道苫小牧市)
“いわて”をはなそう(岩手県)
コンビニの使い方(セブンイレブン)
※再生リストに複数の動画があります。ぜひ他の動画もご覧ください。
教材バンク(さぽうと21)
いかがでしたか?
皆さんも使えそうな教材を見つけたら、ぜひシェアしてくださいね!
授業録画
ここからは、上記で紹介した授業用スライドを使って行った、実際のオンライン授業の録画を共有していきます。
以下では、10〜13コマ目の授業動画を公開します。4本の動画の平均再生時間は47分です。
※授業の前後(出席をとっているところなど)や、学習者がプライベートな話をしている部分などはカットしてあります。
12と13コマ目は「いろどり」を使って進めているので、「いろどり」での授業の仕方がよくわからないという方の参考にもなるかと思います。